空とぶ船と世界一のばか

 この物語は、ロシアの代表的な昔話の再話である。
 昔話によく出てくる三人の兄弟、そしてばかな末の弟。
 日本ならできの悪い子ほどかわいがるのに、この母親は上のふたりばかりでばか息子には食事もろくに与えない。
 ある日、王様からおふれが出て、空とぶ船を造った者にはお姫様をくださるという。兄さん達に続いてばかもお城を目指して旅立った。
 絵も立体感があって色彩も明るく、神宮輝夫の訳も明解で楽しげである。