おぼえていろよおおきな木

 大きな木の陰の小さな家に住んでいるこのおじさんは、この大きな木がどうも気に入らない。鳥が集まってきてうるさいし、洗濯物を干せば日陰になってしまうし、ハンモックをつって眠れば毛虫が落ちるし、ろくなことはない。
 そのたびに「おぼえていろよ」と大きな木をけとばすが、ある日、とうとう我慢できなくなって切り倒してしまう。
 ところが邪魔でたまらなかった大きな木がなくなってみると、おじさんの生活は不便なことばかり。そして......。
 いろいろ教訓を含んでいるが、子どもに読み聞かせたあと、あれこれ言いきかせたりしないでほしい。親が余計なことを言いさえしなければ作者からのメッセージはちゃんと子どもの心に届くのだから。