フョードルおじさんといぬとねこ

 フョードルおじさん、というあだ名の、幼い、けれどもとても頭の良い男の子が、人間のことばを話す捨て猫を連れて家出をするお話。
 ホラ話となると、なかなかロシアの民話にはかなわないがこの物語もロシア的なおおらかな荒唐無稽さで楽しませてくれる。
 ガソリンの代わりに人間の食べ物で走る、小さなトラクター等、男の子の愉快な夢が、スズキコージの挿絵でより生きいきと描かれている。