題からもわかるように、日本語と英語の二本立てである。
但し、英詩は巻末にまとめて記されている。
雪空を見上げていると、光の加減で不意に白い雪が灰色に変わり、まわりが明るく見えることがある。
この絵本は光で変わるその雪景色を、瞬間瞬間にとらえて描いている。
そしてその雪の変化は、動かぬ同じ景色のなかにドラマを運び込んでしまう。
雪に振りこめられたぼくが卵のなかの生まれない小鳥になり、そこに色とりどりのト音記号が降り注ぐ。
幼い心にふと現れては消えてしまう、あの幻影を、言葉と絵でとらえて見せてくれる。
作者の英詩も日本語も、言葉の響きが美しい。