ちいさな星の子と山ねこ

 いつも月のかあさんのそばにいたちいさな星の子は、緑のマントをもらって地球に飛んだ。バッタや魚達とすぐに仲良くなり、山ねこに会っても「おかあさーん、ぼく山ねことともだちになったよー」と疑わないが、山ねこにとびかかられてマントが破けてしまう。マントなしでは帰れないからさあ大変。
 真の優しさとは、を考えさせる物語だが、作者の明るい絵が、話をいっそうほのぼのとしたものにしている。
 山ねこのような嫌われ者も、星の子の無邪気さの前にはつい優しさを出してしまう。海外で真の友情に恵まれやすいのは、むき出しになった子どもの心が人間本来の優しさを引き出すからかもしれない。