うさんごろとへんなつき

 体も目玉もでっかくて、もひとつ話もでっかいうさぎのうさんごろに聞いたのがこの話。
 十五夜はうさぎ達のお祭り。おいしいものをたくさんお供えして、いよいよ「お月さまのおでましー」。ところが、いつもと違う変なお月様が、ご馳走をむしゃむしゃと食べ、小さなうさぎをけとばし「あかんべー」と逃げていく。「よし、ぼくがあいつをやっつけてくる」と、うさんごろ。
 民話のような語り口、とぼけた味、そしてはり絵のわしの切り口が、子どもの心に母の手の温かさを伝える。