だってだってのおばあさん

"あるところに、ちいさなうちが、ありました。"と始まるこの絵本には、九十八歳のおばあさんと、五歳の元気なおとこのねこが登場する。
 魚釣りに行くたびに、ねこはおばあさんを誘うのだが「だって九十八歳だもの」とお留守番。
 ところが、ねこが、おばあさんの九十九歳のお誕生日にケーキ用のロウソクを買いに行って川に落としてしまったので、残った五本のロウソクでお祝いをすることになる。一、二......五と数えているうちに、いつの間にかおばあさんは五歳の気分になって、魚釣りにもついて行くようになる。
 作者の言う、子どもの心をいっぱい持つおばあさんになるには、あのキラキラした目、透き通った心を忘れないようにしなければ。