すうがく博物誌

「恋愛」の項に「この項だけは、数学とはなんの関係もない」と書いてあるところを見ると、他の項は何か関係があるわけだが、とにかく1ページに1項、数学に関することばが「三角形」から「双曲線関数」まで、さし絵つきで楽しく解説されている。 こういう絵と文章だけで示されると、数字を扱うだけが数学ではないと言う事実や、数学の発想の幅広さに改めて感動し、日ごろの学校の授業や教科書から抱きがちな難解で堅苦しいという印象が取り払われる。 ちなみに「えんま帳」の項には通知表の絵が描かれて、「数字は書いてあるけれど、数学からはいちばん遠いしろもの」とあった。数学への偏見を取り除き、興味をかきたてる一冊である。

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