オートバイにのったサンタクロース

 クリスマスの三日前だというのにサンタクロースはぎっくり腰になってしまう。すると神様からの「ゆっくり お休み」という手紙を持った天使がオートバイに乗ってやってきて手伝ってくれると言う。
 昔気質のサンタには、若い天使のサングラスに革のジャンプスーツという格好からして気に入らないが、子ども達を待たせるわけにもゆかず、天使がオートバイでプレゼントを配って歩くことになる。
 ところがこの気の良い天使、実は去年の交通事故で死んだばかりで、残された弟はクリスマスが大嫌いになってしまっている。
 おかしい話なのに涙がこぼれる。サンタクロースがいてくれて、本当に良かった。