かぜひきたまご

 かぜをひいてしまったぼくは、青い顔で病院に行く途中、卵を見付ける。温めてやろうとセーターの中に入れると、突然ぼくのかぜが治り、そのかわりに卵がかぜをひいて青くなる。
 真っ赤になって怒っているママにそっと卵を触らせると、ママはニコニコ。かわりに卵が真っ赤になって怒り出す。
 いじめられても、かわりに痛がって泣いてくれる卵は、とても便利だったのだが、ある日、むくむくと大きくなり始めて......
 子どもがつらい思いをする時、こんな卵があってくれたらと、親の願いもちょっぴり含んで、とても身近な子どもの夢を描いている。
 ぼくが道草しながら病院にいく様子や卵がせきをするところなど、字がまだ読めない子でも、絵で楽しめる本。