はちうえはぼくにまかせて

 この絵本は、表紙を開いたとたんに物語が始まる。
 主人公のトミーが近所の家から鉢植えを集めてきて、家は植物でいっぱいになる。
 お父さんはぶつぶつ言うが、実はそのお父さんの都合で、旅行にも行かれないトミーが考え出した夏休みのアルバイトで、旅行中の家の鉢植えを預かっているのだ。トミーは植物の世話がじょうずなので、植木はどんどん育って家の中はジャングルのようになってしまう。大きくなりすぎた木で家がこわれる夢を見たトミーは、あわてて本を参考にして枝を刈り込み、落とした枝は小さな植木鉢に入れてさし木にする。
 休みも終わりに近付き、鉢植えはそれぞれ持ち主に引き取られ、さし木は近所の子どもにみんなあげてしまうと、鉢植えを邪魔にしていたお父さんは緑が恋しくなり"いなかに行こう"と言い出す、という結末がまた楽しい。

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