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1987年11月

 高校二年の息子の宿題におもしろいものがあった。女子の家庭科の宿題の手作り絵本や児童文学論に、男子が感想文を書くのである。なかなかの力作ぞろいだったのだが、一つ、気になった。  男子のほうが数が多いので、頼まれない男子には絵本や児童文学論に触れる機会がない。料理や裁縫はできなくてもいいが、児童書の勉強は男子にもたいせつである。良い父親になって子どもに本を読んでやる日のために。

わにさんどきっ はいしゃさんどきっ (五味太郎の絵本)

 どこかに行くのを嫌がっているわにさん。どこかに行くのを嫌がっている歯医者さん。でも、どちらも、どうしても行かなければならないところ。
 歯医者さんの診察室で出会ったら、お互いにどきっ!!それからが大変……。
 たった十四種類のことばしか出てこないのだが、その一つ一つを、わにさんと歯医者さんとが、違う立場で口にするところが、大人にとっても子どもにとっても、とても興味深い。
 この本を読んだ子ども達はきっと歯医者さんを嫌がらなくなり、歯を良く磨くようになって、やがては歯医者さんに来なくなることだろう。
 世界中の歯医者さんの診察室に置いてほしい本。

わにさんどきっ はいしゃさんどきっ (五味太郎の絵本)