いつもごきげんカメレオン。でも、特別おもしろいこともない毎日。ところがある日、カメレオンは丘に登り、動物園を初めて見る。そこからこの話は始まる。
クマになれたらなあ、キリンになれたらなあ、と思うたびに、カメレオンの体はどんどん変わっていく。
とても楽しい夢のあるストーリーに、「次は何になるのかなあ」と、ページをめくる手が早くなる。また描かれているカメレオンの表情がハッとするほど豊かなことも、子ども達の心をつかむことだろう。
4人しか国民のいない小さな島国フクラム国に、黒人の赤ん坊ジム・ボタンを入れた小包が間違って届けられる。
ジムはナーニおばさんや機関士ルーカスにかわいがられて大きくなるが、国が狭いので、ジムか機関車かが国を出なければならなくなる。そこでルーカスは、機関車に目張りをして海に浮かべ、ジムを連れて国を抜け出す。
後編『ジム・ボタンと13人の海賊』でハッピーエンドになるのだが、中国を模したらしいマンダラ国や竜の国、人魚の世界までを巻き込んだ、奇想天外な大ロマンである。
優等生だった晃が、少しずつツッパリに染まってゆく。取り立てて理由もなく変わってゆくさまは、これが実話ならおそらく当事者である親も先生も、自分たちの何が子どもを追いこんでゆくのか見当もつかなかったことだろう。
だれもが通る青春という世界。それは大人が忘れたがっている暗闇の世界。この本は、何を見つければ良いのか、何を探し出せば良いのか分からず、手探りで生きようとする一番壊れやすい時期の子どもの姿を、作者の主観を加えず、淡々と描いている。
子どもを理解しようと無理をしなくとも、親や先生自身が己を知れば、おのずから子どもの心が見えてくるのではないだろうか。
見返しページの金箔が、これから展開する絵巻物語の世界への誘い役となっている。
歴史上の人物が、血の通った人間として身近に感じられる絵本である。
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