鉛筆とはさみがうさぎを作る。鉛筆が描いたうさぎと、はさみが切り抜いたうさぎは、すぐ仲良しになる。二匹は絵のニンジンを食べるが、すぐにおなかがすいてしまって、今度は本物のニンジンを見つける。「影があるから本物のニンジンだよ……」と見分けた二匹が本物のニンジンを食べると、絵のうさぎ達にも影ができて本物になる、というお話。
鉛筆画のうさぎと切り紙細工のうさぎを見ていると、自分でも作ってみたくなる。そっとはさみを取り出して、絵本を切り抜いてしまう子もいるかもしれない。
非常にシンプルな画面と少ないことばで、子どもの制作意欲をかきたてる本である。切り抜いたうさぎで、物語の続きを作るのもおもしろい。
“おはなしりょうりきょうしつ”シリーズの3で、ほかにカレーやスパゲッティなど、子どもの好きな料理を扱ったものが四冊ある。
あとがきを読むと、どうやら作者はハンバーグが一番のお気に入りらしいのでハンバーグを選んでみたが、シリーズのどれにもファンタジィと現実のお料理作りとが巧みにミックスされており、おいしい童話に焼き上がっている。
材料や作り方、ちょっとしたコツも書いてあるので、お料理の好きな子を読書の世界へ、本ばかり読んでいる子を台所へと、誘い出してくれることだろう。
クリスチャン以外の人にとっては多少難解な『聖書』を、分かりやすく劇画にした読み物である。ただ劇画ということばからくる“どぎつい”または“マンガ的”な雰囲気はなく、絵物語のような趣がある。
『ノアの箱舟』『バベルの塔』といったお馴染みの物語も、絵が話の詳細まで語ってくれていておもしろい。
しかしこの本は、あくまでも聖書のガイドブックであって『聖書』そのものではない。旅行案内だけ読んで行ったつもりになるのではなく、やはり『聖書』は一度は読むべき本である。
平家物語の劇的な章を選んで瀬川康男が描き、九巻の絵本にまとまった。「かくて春すぎ夏たけぬ」の名文など、親がぜひ原文を読み聞かせたい。
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