国際児童文庫協会の小林悠紀子が子ども達に薦める630冊の本

月刊誌『海外子女教育』の連載「子どもの本棚」を集積したものです。他に、同誌に掲載された投稿、取材原稿、特集記事なども、挿入されています。「子どもの本棚」は、海外に住む日本の子ども達のために、特に注意して選ばれた児童書の推薦欄です。これから海外に赴任する方、海外の子どもに本を送る立場にある方に、読んでいだだけたらお役に立てると思います。

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子ども達に薦める630冊の本

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1987年06月 1987年07月 1987年08月

 海外では容易なのに日本では難しいのが早寝早起きの躾である。日本の学校が遅刻には厳しいわりに、親も世間も、子どもの夜更かしをとがめない。起こす時は戦争だとこぼす親が「毎晩二時三時まで深夜放送を聴きながら勉強して……」とニコニコ話している。  戦争騒ぎで起こすより、睡眠時間が八時間とれるように寝かすことの方がたいせつであり、勉強でも読書でも寝るべき時間にはやめさせて電気を消すのが親の義務である。


キャベツくん (ぽっぽライブラリ―みるみる絵本)

 おなかがすいたブタのブタヤマさんが、キャベツくんに「おまえを食べる!」と言うと、キャベツくんが、「ぼくを食べると、キャベツになるよ!」と答える。すると空に、大きなキャベツになったブタヤマさんの姿が浮かびあがる。
 ヘビがきみを食べたら?タヌキが食べたら?ゾウが食べたら?ノミが食べたら?とブタヤマさんが聞くたびに、空にその姿をしたキャベツが浮かびあがる、という発想は、映像時代ならではの感がある。
 おなかをすかせているブタヤマさんがかわいそうになって「おいしいレストランがあるから、なにかごちそうしてあげるよ」というキャベツくんの優しさがうれしい。

キャベツくん (ぽっぽライブラリ―みるみる絵本)

(ASIN: 4580811437)
長 新太  ¥ 1,305
文研出版

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キャベツくんのにちようび
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ブタヤマさんたらブタヤマさん (えほんのもり 9)



鏡のなかのねこ

 この本は、一種のタイムトラベルの物語である。
 ニューヨークの富裕な家庭のひとりっ子イリンは、これといった欠点がないのに、学校ではいじめられっ子。家でも自分への愛情の薄い母親の態度に思い悩む毎日を送っている。ところがある日、頭を石にぶつけて気を失ったイリンは、古代エジプトの時代で、「イルン」という名前で暮らす少女として目覚める。そしてここでもまた、イリンと同じように母親や友達のことで悩むのだった。
 いじめは日本だけの問題ではなく、また経済的に裕福であっても子どもが幸せとは限らないのである。

鏡のなかのねこ

(ASIN: 4037261502)
メアリ・シュトルツ  ¥ 1,365
偕成社

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鏡のなかのねこ (偕成社文庫)
Cat in the Mirror



いのしし親子のイタリア旅行 (大長編Lシリーズ)

 ファンタジーと言うよりも、これはノンフィクション。ある日、ある時、イタリアの街角で、実際にあったできごとに相違ない。
 一見ひどく生マジメで、実はスマートなユーモリストである某児童文学作家と、美人で明るくて買い物好きな奥様と、そういう両親に育てられた小さなウリン坊の、イタリア旅行記と思っていただきたい。
 血わき肉躍る冒険小説ではないが、家族旅行にありがちなアクシデントが次々と起こって、それなりに波乱万丈である。
 この一冊を持ってイタリア旅行をしてみるもよし、読んでイタリアの空に思いをはせるのもいいだろう。

いのしし親子のイタリア旅行 (大長編Lシリーズ)

(ASIN: 4652014155)
渡辺 茂男  ¥ 1,890
理論社 / 通常2~5週間以内に発送




なつの あさ (至光社国際版絵本)

 絵が素朴でいい。
 「なつの あさは みんな しろい」……今の日本で、どれだけの子どもがこういう朝を知っているだろうか。たいせつにしたい自然を感じさせる本である。

なつの あさ (至光社国際版絵本)

(ASIN: 4783400350)
谷内 こうた  ¥ 1,260
至光社 / 通常2~5週間以内に発送

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