国際児童文庫協会の小林悠紀子が子ども達に薦める630冊の本

月刊誌『海外子女教育』の連載「子どもの本棚」を集積したものです。他に、同誌に掲載された投稿、取材原稿、特集記事なども、挿入されています。「子どもの本棚」は、海外に住む日本の子ども達のために、特に注意して選ばれた児童書の推薦欄です。これから海外に赴任する方、海外の子どもに本を送る立場にある方に、読んでいだだけたらお役に立てると思います。

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子ども達に薦める630冊の本

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1986年10月 1986年11月 1986年12月

 近ごろのニューファミリーとやらは、家族の個性を尊重して、食事もめいめいが違うものを食べると聞いて驚いた。子どもの個性を伸ばすことは、子どもに好きなことだけをさせておくことではない。親と一緒に食べてこそ、子どもは新しい味を覚えるのである。  カレーとハンバーグの味しか知らぬ子どもに、好みの味だけ食べさせてどうなるのだろう。童話の楽しさを知らぬ子に、漫画ばかり買い与えるようなものである。


どろんここぶた (ミセスこどもの本)

 おひゃくしょうさんのうちのこぶたは、どろんこが何よりも好き。おひゃくしょうのおじさんとおばさんにかわいがられて暮らしていたが、ある朝おばさんが大掃除を始めたから、さあたいへん。やわらかーいどろんこはなくなってしまったし、こぶたまでぴっかぴかにしてしまった。
「こんなうち、ぴかぴかすぎてつまらないや」と、こぶたは家を後にどろんこを見つけに出かけるが、町までやってきてやっと見つけたと思ったどろんこの中で身動きできなくなってしまう……。
 作者の暖かいまなざしが絵とお話の中にあふれているようで、子どもは母親のひざの上で、大好きなどろんこの中にいるこぶたの気分になるだろう。そして母親は、子どもからつい、どろんこを取り上げていることに気づくかもしれない。

どろんここぶた (ミセスこどもの本)

(ASIN: 457940243X)
アーノルド・ローベル  ¥ 998
文化出版局 / 在庫あり。

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Small Pig (I Can Read Book 2)



どうぶつたちの夜 (新日本動物植物えほん 21)

 動物の生態を描いた絵本はたくさんあるが、この本は一味違って、動物園に勤務する作者から子ども達へ送る“アニマルウォッチングの薦め”である。
 冬休みに山の温泉にでも行く機会があったら、寒さをこらえて一晩中起きていてごらん、いろいろな動物が現れるよ、と言う。まず猫が、肉食獣として紹介されているのもおもしろい。きつね、たぬき、いたち、てん、と出てくるが、海外ではもっとほかの動物が見られるだろう。
 裏の見返しに登場した動物達の実物大の足跡が描いてあるのも親切。

どうぶつたちの夜 (新日本動物植物えほん 21)

(ASIN: 4406011854)
増井 光子  ¥ 1,121
新日本出版社




ウォーターシップ・ダウンのうさぎたち (上) (評論社文庫)

 題名から察するとこの本は児童向きのようだが、読み進むうちに、大人にも十分読みごたえがある物語だということが分かる。
 ある村で平穏に暮らしているうさぎ達。だが危険が迫っているという小さなうさぎ“ファイバー”の予感を信じた数匹が村を離れるところから、この話は始まる。
 森を抜け、川を渡り、ほかの群のうさぎ達と戦いながら、彼らはやがて新しい自分達の村を作る。命を助けたねずみやかもめを味方につけて、大きな危機から脱出するところでは、思わず力が入る。
 世界情勢を模していると評判になった本だが、中学生・高校生には、そのような読み方もできることだろう。

ウォーターシップ・ダウンのうさぎたち (上) (評論社文庫)

(ASIN: 4566021084)
リチャード・アダムズ  ¥ 735
評論社

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ウォーターシップ・ダウンのうさぎたち (下) (評論社文庫)
Watership Down



絵本 弁慶 (絵本のおくりもの)

 日本人として知っているべき物語の一つではないだろうか。版画である挿絵は、見ているだけでも迫力があり、弁慶の強さが感じられる。

絵本 弁慶 (絵本のおくりもの)

(ASIN: 4323002920)
谷 真介  ¥ 1,365
金の星社 / 在庫あり。

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