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「晴耕雨読」ということばがあるが、それから思えば日本の6月は「読書の梅雨」といも言えそうである。音もなく降る雨に思いもこもりがちで気持ちも集中するから、多少難解な評論であっても、何巻も続く歴史物語であっても、負担に感じずに読み進んでしまう。
しかしこもりがちな子ほど、雨をおしてでも外に連れ出してやりたい。本の好きな子は、とかく頭の中でばかり考えて、体で感じることを怠りがちだから……。
ケーキやさんに入ったどろぼうが「パパのバースデーケーキをお願い」という女の子の電話をつい受けてしまったから大変!そのうえなぜか、どろぼうの作ったケーキをおまわりさんが届けることになる。せめてケーキ代だけでもねこばばしようとしたどろぼうが、女の子の家に行ってみると、おまわりさんもパパの誕生日に来ていた。
一生懸命電話を掛ける女の子と、断れずにケーキを作ってしまうどろぼうと、人のよいおまわりさんの物語。
家出をしたあゆみは、連れ戻されるのが嫌なばかりに、兄のパスポートを使い、男装して宇宙船に乗り込む。ところが、同室になったある星の王子様とその仲間の太一郎にすぐ見破られてしまう。
このシリーズの主人公となる太一郎とあゆみが、星の砂漠に取り残されたところでこの話は終わり、『通りすがりのレイディ』『カレンダー・ガール』と続くのだが、各巻ごとに趣が異なり、軽やかでおもしろいSFである。
この本の後半「雨の降る星」の中で、作者は自殺の愚かさを描き、また「状況に流されて世の中の悪を正さない優柔不断さは、優しさではなく弱さであり、弱さは罪である」と太一郎に語らせている。
近ごろ中・高校生を含む若者たちに広く読まれている作者だけに、この一言は頼もしい。