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夏への扉 (ハヤカワ文庫 SF (345))

 主人公の飼っている猫は、冬になると、夏への扉を探し始める。家中のドアのどれか一つは、きっと夏の戸外に通じていると信じ込んでいるのだ。そして恋人と親友とに裏切られ、会社も乗っとられた彼も、人生の夏への扉を信じて長期冷凍睡眠の道を選ぶ。
 しかしやがて目覚めて積極的に自分の未来を造っていくのだが、この主人公の誠実な生き方と、ジンジャーエールが好物という奇妙な猫との心のつながりとが、このSFを感動的なロマンに仕上げている。
 冷凍睡眠もタイムマシンも現実になる日は近いことだろうが、その時まで、果たして人間はこの誠実さを保ち続けることができるだろうか。

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