1986年05月

ライオンと魔女―ナルニア国ものがたり〈1〉 (岩波少年文庫)
ファンタジーの中のファンタジーと言われる名作で、今更とも思うが、海外にいるとこういう本さえ知らずに過ごす人も多いので紹介したい。
物語は7巻から成るが、それぞれが完結していて、どれを読んでもおもしろい。一冊読むと、どうしても全部読みたくなる本だから、初めから物語の流れに沿って読んだ方がよい。以前は作者が書いた順に読まれていたが、この岩波少年文庫版にも書かれているように『魔術師のおい』『ライオンと魔女』『馬と少年』『カスピアン王子のつのぶえ』『朝びらき丸東の海へ』『銀のいす』『さいごの戦い』の順に読むと全体がよく分かる。
英語版には"9歳から13歳向き"とあるが、日本語版では瀬田貞二訳の日本語が美しく、ふりがなもふってあるので、読む力のある子なら低学年でも十分に楽しめる。
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カスピアン王子のつのぶえ―ナルニア国ものがたり〈2〉 (岩波少年文庫)朝びらき丸東の海へ―ナルニア国ものがたり〈3〉 (岩波少年文庫)
銀のいす―ナルニア国ものがたり〈4〉 (岩波少年文庫)
馬と少年―ナルニア国ものがたり〈5〉 (岩波少年文庫)
魔術師のおい―ナルニア国ものがたり〈6〉 (岩波少年文庫)
さいごの戦い―ナルニア国ものがたり〈7〉 (岩波少年文庫)
ライオンと魔女(ナルニア国ものがたり(1))
カスピアン王子のつのぶえ (ナルニア国ものがたり (2))
朝びらき丸東の海へ (ナルニア国ものがたり (3))
銀のいす (ナルニア国ものがたり (4))
新装版 かぜひきたまご (講談社の創作絵本ベストセレクション)
かぜをひいてしまったぼくは、青い顔で病院に行く途中、卵を見付ける。温めてやろうとセーターの中に入れると、突然ぼくのかぜが治り、そのかわりに卵がかぜをひいて青くなる。
真っ赤になって怒っているママにそっと卵を触らせると、ママはニコニコ。かわりに卵が真っ赤になって怒り出す。
いじめられても、かわりに痛がって泣いてくれる卵は、とても便利だったのだが、ある日、むくむくと大きくなり始めて……
子どもがつらい思いをする時、こんな卵があってくれたらと、親の願いもちょっぴり含んで、とても身近な子どもの夢を描いている。
ぼくが道草しながら病院にいく様子や卵がせきをするところなど、字がまだ読めない子でも、絵で楽しめる本。
夏への扉 (ハヤカワ文庫 SF (345))
主人公の飼っている猫は、冬になると、夏への扉を探し始める。家中のドアのどれか一つは、きっと夏の戸外に通じていると信じ込んでいるのだ。そして恋人と親友とに裏切られ、会社も乗っとられた彼も、人生の夏への扉を信じて長期冷凍睡眠の道を選ぶ。
しかしやがて目覚めて積極的に自分の未来を造っていくのだが、この主人公の誠実な生き方と、ジンジャーエールが好物という奇妙な猫との心のつながりとが、このSFを感動的なロマンに仕上げている。
冷凍睡眠もタイムマシンも現実になる日は近いことだろうが、その時まで、果たして人間はこの誠実さを保ち続けることができるだろうか。



