1985年08月

はちうえはぼくにまかせて
この絵本は、表紙を開いたとたんに物語が始まる。
主人公のトミーが近所の家から鉢植えを集めてきて、家は植物でいっぱいになる。
お父さんはぶつぶつ言うが、実はそのお父さんの都合で、旅行にも行かれないトミーが考え出した夏休みのアルバイトで、旅行中の家の鉢植えを預かっているのだ。トミーは植物の世話がじょうずなので、植木はどんどん育って家の中はジャングルのようになってしまう。大きくなりすぎた木で家がこわれる夢を見たトミーは、あわてて本を参考にして枝を刈り込み、落とした枝は小さな植木鉢に入れてさし木にする。
休みも終わりに近付き、鉢植えはそれぞれ持ち主に引き取られ、さし木は近所の子どもにみんなあげてしまうと、鉢植えを邪魔にしていたお父さんは緑が恋しくなり“いなかに行こう”と言い出す、という結末がまた楽しい。
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Plant Sitterにほんご
今日本で、ことばと子どもの本の専門家として活躍する四人が“夢の国語教科書”として作った。
「わたし かずこ」という平易な話しことばから始まり、挨拶、早口ことば、お話、詩、なぞなぞと、楽しみながらよい日本語が身に付くようになっている。
帰国児の研究協力校にもあったこの本十冊余りが、そろって手ずれしているのを見た。子ども達に好まれているらしい。海外でも、子ども達の“美しい日本語会話”に役立つことだろう。
おき去りにされた猫 (文学の扉 (14))
他人の家を転々として育った十三歳の少年チャドは、早く自立して愛する母親と暮らす日を夢見ている。
この夏はどうやら気の合いそうな家族に巡り合い、少しずつ避暑地の生活に馴染んでゆくが、アルバイトを見付けてせっかくお金を送った母親からは、なかなか返事が来ない。休暇中だけ避暑客にかわいがられ、置き去りにされた猫と友達になり、“再婚したからいっしょに暮らせない”という母親からの返事に、猫と自分とを重ねてみる。えさのない避暑地の冬も、どうにか生き抜いてきた猫の姿に、自分も新しい環境に順応して生き抜こうと決意する少年が力強い。


