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どんなにまずい離乳食でも、自分が一口食べてみてから子どもに与えるのが母親と言うものだが、「うちの子、このごろ話もしないのよ」と、子どもの本のことになると、自分が読もうともせず、我が子の心をつかめないことを嘆く。子どもの本は面白くないと言う人もいるが、読んでみると小さなことに悩んだり、胸を痛めた幼い日々を思い出したりする。親子で同じ本を読むことを大事にしたい。
ここに出てくる王様は、ぜひ友達になって面倒を見てあげなければ、と誰もが思うような王様である。この巻には四つの話が書かれているが、三番目の“ウソとホントの宝石ばこ”では、王様がウソをつくたびに宝石箱にためておくものだから、入りきらなくなった宝石箱がこわれ、ホントのことしか言えなくなってしまう。
王様のくせにニンジンが嫌いだったり、歯みがきをさぼったり、つい嘘をついてしまったりする人間味が、小さい読者をひきつけずにはおかない。
これは最近映画化され、日本でも封切られたが、どんな文学作品であっても必ず本を先に読んで心の中にその世界を描いてから映画を見せるようにしないと、良い文学を味わい損ねる。映画の印象が強すぎて、後からでは自分なりの解釈ができなくなってしまう恐れがあるからである。特にこれはファンタジーのフルコースのような作品で、読者の頭の中に次から次へと夢の国が展開する。
主人公の少年バスチアンは本の虫だが、この本『はてしない物語』に出会い、読みふける。すると不思議なことに、物語の登場人物が、物語の世界にバスチアンが入ってくることを待ち望んでいる様子が書かれている。バスチアンが物語りに入って行かなければ、この世の中が嘘と偽りの世界になってしまうという。物語の世界に飛び込む方法までしりながら勇気が出ないバスチアンのために、本の中の賢者はこの『はてしない物語』を最初から読み始める。すると、バスチアンは……。
原作はドイツ語だが、Puffinから英語版が出た。